シリコーンゴムを知る
シリコーンゴムの電気導電性・電気絶縁性
カーボンなどの導電性材質を配合した導電性シリコーンゴムには、0.01Ω・mから10Ω・mまでの抵抗値を持つものがあります。導電性以外の性質は一般のシリコーンゴムとほとんど変わらないため、キーボードの接点、ヒーターまわり、帯電防止部材、高圧ケーブルのシールド材などに幅広く利用されます。
一方、シリコーンゴムは1~100TΩ-mという電気絶縁性にも優れており、広い温度範囲や周波数領域にわたって安定した電気絶縁性を示します。また、水に浸しても性能の低下がほとんどないため、絶縁材料として非常に優れた素材と言えます。特に、高電圧化でのコロナ放電やアークなどに対して優れた抵抗性を示し、高電圧がかかる部分の絶縁材料として広く利用されています。
耐アーク性
| 材料名 | ASTM法 sec |
| 布基材フェノール樹脂 | 4.5 |
| クロロスルホン化ポリエチレン | 5.2 |
| ブチルゴム | 72 |
| ハイブチルゴム | 180< |
| クロロプレンゴム | 8.5 |
| エポキシ樹脂 | 184 |
| ポリエステル樹脂 | 134 |
| ポリ四フッ化エチレン | 165~185 |
| シリコーンゴム | 180< |
耐トラッキング性
| 材料名 | DIN法 | |
| 格付け | 侵食深さ mm [ ]滴下数 |
|
| ブチルゴム | KA-3C | 0.342 |
| エチレンプロピレンゴム | KA-3C | 0.240 |
| クロロスルホン化ポリエチレン | KA-3C | 0.224 |
| クロロプレンゴム | KA-2 | [ 18 ] |
| ポリエチレン | KA-2 | [ 46 ] |
| 架橋ポリエチレン | KA-3C | 0.302 |
| ポリスチレン | KA-2 | [ 15 ] |
| シリコーンゴム | KA-3C | 0.0064 |
※KA-3C 101滴以上の滴下で1mm以下の侵食
KA-2 11~100滴で導通路が形成される
耐コロナ性
| 材料名 | 3kVにおける寿命 h |
| ポリエチレン | 24.0 |
| ポリ四フッ化エチレン | 33.5 |
| 三酢酸セルロース | 36.5 |
| ポリエチレンテレフタレート | 50.0 |
| ポリエステルワニス | 22.0 |
| 油変性フェノール樹脂 | 55.0 |
| エポキシエステルワニス | 65.5 |
| アスファルト系油ワニス | 81.0 |
| シリコーンゴム | 35,600< |