シリコーンゴムを知る

シリコーンゴムは何でできているか

シリコーンゴムは、人工的に作られるプラスチックの一種です。プラスチックは大きく分けると、熱を加えると軟化・流動化するリサイクル可能な「熱可塑性樹脂」と、熱を加えると硬化しリサイクルしにくい「熱硬化性樹脂」に分かれますが、シリコーンゴムは、「熱硬化性樹脂」の一種です。「熱硬化性樹脂」の仲間には、「天然ゴム」「合成ゴム」などの「有機系ゴム」とフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどがあり、シリコーンゴムは、「有機と無機」の両方の性質を兼ね備えたユニークな樹脂と言えます。

シリコーンゴムは、1.生ゴム(シリコーンポリマー)、2.充填剤、3.加硫剤、4.特性向上剤によって、構成されています。

シリコーンの主原料である生ゴムは、分子構造によって分類され、各生ゴムの種類によって適する用途が異なります。
A)ジメチル系 : 高引裂きゴム・スポンジなどに使用
B)メチルビニル系 : 一般用途に使用(圧縮永久ひずみ・高引裂ゴム)
C)メチルフェニルビニル系 : 耐熱性ゴム・耐寒性ゴム・高引裂きゴム・難燃性ゴム・耐放射線性ゴム
D)メチルフルオロアルキル系 : 耐ガソリン性ゴム・耐油性ゴム
生ゴムの種類を選定することにより、様々なシリコーンゴムを生成できます。

シリコーンゴムの強度向上に欠かせない材料が、シリカ系補強充填剤です。なかでも煙霧質シリカと沈殿シリカが代表的な補強性充填剤であり、粒子径が小さく比表面積が非常に大きいことが特徴です。

シリコーンゴムの加硫剤は、一般に有機過酸化物が使用されており、炭素の架橋を形成します。

特性向上剤とは、加工助剤、耐熱向上剤、加硫戻り防止剤、難燃性付与剤など、シリコーンゴムの様々な特性を向上させるために付与する材質です。

 

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